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2011.01.20

かきや

 

寒の水で餅を搗く
 寒中に搗く餅を寒餅といいます。晦日を目前に高揚した雰囲気の中、さまざまな形の供え餅や丸餅を作る餅つきは半日ほどかけますが、寒餅は4ー5臼ほどの餅を1時間ほどで搗いてしまいます。かきもち用になまこ型の伸し餅を作るための餅つきの杵の音は、年の瀬のそれとはまた違った風情を走りもとに奏でます。せっかくの搗きたてだからと、おろし餅や黄粉餅も楽しんで、丸餅も少しだけ作って、あとはかきもちにするので全て伸し餅に。かつてはエビ入り、青海苔入り、黒豆入りのかきもちなど数種作ったものです。寒の冷えた空気の中で搗いた餅は傷みにくく、薄く切ったかきもちを乾燥させるときもカビがはえないで質の良い餅できるのです。

「伸し餅」→「かき餅」
 まなこ型にした伸し餅は薄く切って乾燥させます。乾かす場所は薄くきったかき餅のひび割れを防ぐために風のない屋内です。冬の冷気は餅を傷めることなくゆっくり水分を蒸発させ、3週間ほどできれいに乾燥したかき餅に仕上がります。乾燥させたかき餅はガラス瓶に入れておけば何年経ってもカビることもなく保存しておくことができます。

「かき餅」→「かきや」
 乾燥させた「かき餅」を炭火でじっくりと焼く作業は寒い冬の暮らしの楽しみでもあります。戸棚から去年に乾かしておいた「かき餅」を取り出してきて焼くのです。用意するものは、火鉢のなかでご機嫌に熾った炭火と餅焼き用の網、それに割り箸と水を入れたボール(かき餅の表面を濡らすことでふっくらと艶良く焼くため)。火加減を調整しながら手際よく焼いていきます。焦がさないよう両面にほんのり焼き色がつけば素焼きの「かきや」の完成。つぎに好みの味の付けダレを作ります。付けダレは、濃口醤油、酒、砂糖を火にかけて作り、ここにたっぷりの粉山椒を効かせるのが我が家流。素焼きにした「かきや」をこのタレにくぐらせて乾燥させます。乾燥法は、中華なべの底に餅焼き用のアミを於き、その上に濡れた「柿や」を載せていくことで余分なタレを下へ落としながら火鉢の残り火の上にこの鍋をかけておきじっくりと乾かします。後半はファンヒーターの温風を利用すると一日で十分に乾かすことができます。
杵つき餅で作った「かきや」の素朴な風味は、京番茶との相性も絶妙な美味しさなのです。

2011/01/20記 

寒餅
搗いた餅をそのまま長方形に伸ばして
固める伸し餅。
節分の頃には丸もちではなく
これを角に切った切り餅を焼いていました。

かき餅
薄く切ったかき餅は風に当てると
たちどころにひび割れてしまうので
室内に広げて乾燥させます。

かきや
炭火で焼いて醤油を絡ませたかきや。

haha

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